アメリカの有名コンサートホール
今回はアメリカを代表する有名コンサートホールについて。
誰もが知るカーネギーホールからクリーブランドの名門セヴェランスホールまでをまとめてみた。
カーネギーホール
ニューヨークのコンサートホールの中でも有名なカーネギーホール。世界で最もアイコニックなコンサートホールのひとつでしょう。
1891年にオープンしたこのホールは鉄鋼王である慈善家のアンドリュー・カーネギーによって建設され、設計はウィリアム・タッヒルによるものです。下の動画でもわかるようにネオ・イタリアン・ルネッサンス様式が特徴です。
ホールは主に3つのパフォーマンススペースから成っていて、最大のステージであるスターン・オーディトリアムは2804席を有し、優れた音響で知られています。
歴史的にはチャイコフスキーからレナード・バーンスタイン、デューク・エリントンにビートルズまで、多くの偉大な音楽家たちを迎えてきた。「カーネギーホールに行くには?練習、練習、練習」という言葉があるほどのアメリカでおそらく一番の名門ホールだ。
エイブリー・フィッシャーホール (デヴィッド・ゲッフェンホール)
ニューヨークのリンカーン・センターに位置するエイブリー・フィッシャー・ホールは、ニューヨーク・フィルハーモニックの本拠地である。
当初はフィルハーモニック・ホールとして1962年にオープンしたが、慈善家エイブリー・フィッシャーに敬意を表して1973年に改名された。
音響に関しては、開館当初から批判があり、特に「抗菌的」などと表現されることが多い音響特性が問題視されていました。1976年に改修が行われ改善が試みられましたが、依然として賛否が分かれるホールとしても知られているようです。座席数は約2,738席で、建築は独特のモダニズム様式で知られている。
施設としてはリンカーン・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツの一部という位置づけである。エイヴリー・フィッシャー・ホールは、音響コンサルティングを設計に完全に組み込んで建設された世界初のコンサートホールのひとつである。
シンフォニーホール
マサチューセッツ州ボストンにあるシンフォニーホールは、名門シンフォニーのボストン交響楽団の本拠地である。1900年にオープンしたこのホールは、マッキム、ミード、ホワイトによって設計され、こちらは物理学者ウォレス・クレメント・サビーンによって音響学的な意見強く取り入れられたホールだ。そのためこちらも音響効果は世界トップクラスとして広く知られている。
シューボックス型のホールには格天井があり、ギリシャ・ローマの神々と女神の彫像がある。また、オルガンがホール建築の不可欠な一部と考えられている、世界でも数少ないコンサートホールのひとつ。
セヴェランスホール
オハイオ州クリーブランドにあるセヴェランスホールは、クリーブランド管弦楽団の本拠地。
1931年にオープンしたこのホールは、主要な後援者であるジョン・L・セヴェランスとその妻エリザベートにちなんで名づけられた。1958年の改修で音響の質が向上し、2000年にはさらに大規模な改修が完了しました。
このホールは、アール・デコ様式とエジプシャン・リヴァイヴァル様式の建築様式で知られている。その設計はアーネスト・ボーグスによるものでアメリカのクラシック音楽ホールの中でも特に美しいと評されています。ホールは音響の良さと視覚的な美しさが融合しているものです。
また、シルバールームは初期には人気のカフェスペースとしても知られた。
ケネディ・センター・コンサートホール
ワシントンD.C.にあるケネディ・センター・コンサートホールは、ジョン・F・ケネディ舞台芸術センターの一部である。1971年にオープンし、ナショナル・シンフォニー・オーケストラの本拠地として使用されている。約2,400人を収容できるこのホールは、扇形の構成とアメリカン・ウォールナットを内装に使用していることで知られている。1997年に音響と美観を向上させるため、大幅な改修が行われた。
こちらは国立文化センターとしても機能している。多目的な会場でオーケストラ、室内楽、ジャズ、ポップス、民族音楽など、幅広い公演を開催しているのだ。
また、芸術界の功績を称える年1回のイベント、ケネディセンター・オナーズがここで開催される。米国大統領やその他の要人が出席するアートの一大イベントである。
ウォルト・ディズニー・コンサートホール
西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルスにあるこのコンサートホールは、ロサンゼルス・フィルハーモニックの本拠地である。特徴的なスタイルの有名建築家フランク・ゲーリーによって設計され、2003年にオープンした銀色のステンレスが光る比較的新しいホールだ。音響設計については音響設計のプロの豊田泰久の手による。彼は日本での音響効果ランキングで一番と言われる東京の名門サントリーホールの音響設計を担当したことで知られるプロ中のプロである。内部はダグラスファーのパネルで覆われ、客席は2,200席以上ある。
ちょっとしたトリビアとして、ホールの外観の大量の反射パネルは当初、近隣の建物に熱とまぶしさの問題を引き起こし建設後に外装の改修が必要となった。素人目にも、この見た目だと予定の段階で分かりそうなものだが。。
マイヤーソン・シンフォニー・センター
テキサス州ダラスにあるマイヤーソン・シンフォニー・センターは、ダラス交響楽団の本拠地。1989年にオープンしたこのホールは、建築家I.M.ペイと音響学者ラッセル・ジョンソンによって設計された。靴箱のようなデザインと調整可能な音響が特徴で、その建築と音響品質で有名である。最大2,062人まで収容可能。
残響室と調節可能な天蓋からなるユニークなシステムを備えている。これによってさまざまなタイプの音楽に合わせて音響を微調整できる。
オーケストラ・ホール
イリノイ州シカゴにあるオーケストラ・ホールは、シカゴ交響楽団の本拠地。1904年にオープンし著名な建築家ダニエル・バーナム(バーンハムとも)によって設計された。ネオ・クラシック様式で知られるこのホールは、1990年代に大規模な改修工事を行いオリジナルの建築のディテールを復元し、音響効果を向上させた。座席数は2,522席。
当初はその高い音響効果にもかかわらず、当時の他のコンサートホールと比べて豪華さに欠けるとの批判を受けた。いいホールなのだがそう言われると名前もどことなく地味な気もする。
ベナロヤ・ホール
ワシントン州シアトルにあるベナロヤ・ホールは、シアトル交響楽団の本拠地である。1998年にオープンしたこのホールは、LMNアーキテクツによって設計され、シリル・M・ハリスによる優れた音響効果を特徴としている。大きなガラス張りのロビーからは、シアトルの街並みが一望できる。S.マーク・テーパー財団オーディトリアムとイルズリー・ボール・ノードストローム・リサイタル・ホールの2つのホールがある。
実は交通トンネルの真上に建てられている。遮音のための革新的な建築技術により成功しているホールだ。
内装にダグラス・ファーなどの天然素材を使用していることでも知られており、大きなガラス張りのロビーからはシアトルの景色が一望できる。
キンメル・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ
ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるキンメル・センターは、フィラデルフィア管弦楽団の本拠地。2001年にオープンしたこのセンターは建築家ラファエル・ヴィニョリーによって設計された。
メインのコンサートホールであるベライゾンホールを囲むアーチ形のガラスの屋根が特徴だ。ベライゾンホールの収容人数は2,500人である。ベルリンフィルと同じように観客がステージを取り囲みより親密な体験を可能にするヴィンヤード・スタイルのデザインである。ホールの音響設計はアーテック・コンサルタンツによる。
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