ドビュッシーの月の光とアラベスク

ドビュッシーの月の光を表している夜の海面に浮かぶ月 音楽

ドビュッシーの月の光

Clair de Luneこと月の光は、ドビュッシーの『ベルガマスク組曲』の第3楽章で、彼の最も有名なピアノ作品といって過言ではない。

ドビュッシーが28歳のときに作曲を始めたものです。

1890年にベルガマスク組曲は作曲され、その後改訂されて1905年に出版されました。

印象派音楽の代表作でもあり気分や雰囲気の喚起を求める作風といえるでしょう

moon-2762111_1280 ドビュッシーの月の光とアラベスク

ベルガマスク自体はバロック音楽的な影響がありつつ、全体としては全4楽章から構成されています。

各楽章は以下の通り

  1. 前奏曲(Prélude) – 軽快で流れるようなメロディ
  2. メヌエット(Menuet) – 古典的な舞曲の形式を取り入れた優雅な感じの楽章です
  3. 月の光(Clair de lune) – やはり最も有名な楽章でしょう、感情豊かで夢幻的な雰囲気
  4. パスピエ(Passepied) – 活気に満ちたリズムが特徴の楽章
パスカル・ロジェによるドビュッシーの月の光

クレール・ド・リュンヌ(月光)に関するトリビア ベルガマスク組曲の第3楽章であるにもかかわらず”Clair de Lune “は単独で演奏されることが多い。

Clair de Lune は、その喚起力と普遍的な魅力から、数多くの映画、テレビ番組、CMで取り上げられています。

ちなみにこの曲はもともと詩人ポール・ヴェルレーヌの詩をモチーフにした組曲「プロムナード・センティメンタール」の一部として収録される予定だったものです。

ちなみにヴェルレーヌはランボーなどと同じくフランスの有名な象徴派の詩人です。

その他に印象は絵画などからもドビュッシーは作曲時に影響を受けていたという話もあります。

ちなみにこんな良い名曲なのですが、ドビュッシーはこの作品を発表する際には、当初自らの成熟したスタイルに合わないと感じていたようです。

この理由によって長い間出版をためらっていましたが、最終的には彼の名声が高まる中で出版を決意しました。

ドビュッシーのアラベスク

ドビュッシーの “アラベスク “は、やはりまだ20代の頃に作曲した月の光と同様に初期の作品だ。完成は1891年なので作曲自体は月の光とほぼ同時期なのである。

第1番のアラベスクは、流れるような繊細なパッセージがタッチや表現力を養うのに適しているため、指導の現場でよく使われる。個人的にも自分が子供の頃に買った音楽の練習本にも載っていたのを覚えています。

第2番は、第1番の静謐な雰囲気とは対照的に、よりエネルギッシュで生き生きとした性格を持つのが特徴です。

ドビュッシーのアラベスク

まず、そもそもアラベスクとは偶像禁止のイスラム世界で生まれたモスクなどによく描かれている幾何学模様のことです。

そしてこの音楽における「アラベスク」とは、複雑で装飾的、即興的な作品を指していると考えられています。

このため装飾的なメロディーを特徴とし、自由な展開を通じて時間の流れを遅く感じさせるような効果がこの曲にはあります。

これは主に2つの和音の間での往復運動を用い、曲で長い間その和音を交互に使用しているためです。従来の調性にとらわれない発想です。

また、アラベスクはペンタトニック音階や全音音階を使用し、初めのメロディーは装飾的で自然の音の流れを模倣するなど独創的なテクニックも組み合わせて使っています。

アラベスクはピアノのテクニックや表現力を高めるための習作として作られたようです。

上記で述べたようなテクニックはこの曲のあとのドビュッシーにも見られるものです。

ドビュッシーの音楽表現が発展し伝統的なロマン派的、バロック的イディオムから、後に有名になる印象派のスタイルに移行していることも示している曲といえるかもしれません。

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