20世紀後半からの有名作曲家まとめ

音楽

ジョン・ウィリアムズ

アメリカの作曲家、指揮者であるウィリアムズは映画音楽でよく知られているがクラシック音楽への貢献も大きい。

様々な協奏曲や交響曲を作曲し、主要なオーケストラで演奏されている。彼の「ヴァイオリン協奏曲」、「ホルン協奏曲」、「コンサート作品 交響曲第1番」は、クラシックのジャンルで特筆すべき作品であり、オーケストレーションとテーマ展開の卓越した技巧を披露している。

とはいえやはり映画音楽のカテゴリーで最も人気があり、認知度の最高クラスに高い人なのでそちらの例も挙げてみたい。『スター・ウォーズ』、『ジュラシック・パーク』、『インディ・ジョーンズ』、『ジョーズ』、『シンドラーのリスト』、『ハリー・ポッター』第1作から第3作まで。これで一部である。全部挙げればきりがないハリウッドやここ50年ほどの映画文化にとって欠かせない作曲家である。

こちらはJohn Williams自らが指揮をする「Imperial March」だ。スターウォーズを見たことがない人はいてもこれを聴き覚えない人はいないんじゃないのかというほどに印象的なメロディーだと思う。

そしてこちらはジュラシックパークの壮大なテーマ。映画の映像のインパクトもこの音楽で何倍にも増幅されているように感じられる。

アルヴォ・ペルト

エストニア出身の作曲家で、ミニマリズムと神聖音楽で知られる。ティンティナブリと呼ばれる独自の作曲技法は、聖俗を問わず幅広い作品に影響を与えている。

「マニフィカト」、「タブラ・ラサ」、「フラトレス」などの作品は世界中で演奏され、現代の傑作とされている。管弦楽曲の 「Cantus in Memoriam Benjamin Britten」や「Spiegel im Spiegel」なども有名である。

フィリップ・グラス

グラスは20世紀後半で最も影響力のある音楽家の一人である。彼の作風はしばしばミニマリズムと形容されるが、本人は “反復構造を持つ音楽 “と呼ぶことを好む。

もっとも有名なオペラ『浜辺のアインシュタイン』や器楽作品の『グラスワークス』などの作品は、クラシック界とポピュラー音楽界の両方に大きな影響を与えた。

他にも映画音楽としては『コヤニスカッツィ』、『めぐりあう時間たち』、『あるスキャンダルの覚え書き。』。

また、「12の部分からなる音楽」はミニマル・ミュージックへの重要な貢献である。

クシシュトフ・ペンデレツキ

ポーランドの作曲家・指揮者で、前衛的な作品で知られる。弦楽オーケストラのための「ヒロシマの犠牲者のための追悼曲」のような初期の作品は型破りな記譜法を用いた。また、その感情の力強さは衝撃的である。キャリアの後半ではより伝統的な形式やハーモニーへと移行していった。

管弦楽作品としては「ポーランド・レクイエム」、「交響曲第3番」。オペラとしては「ルードゥンの悪魔」、「失楽園」なども有名である。

ギョルジー・リゲティ

ハンガリー系オーストリア人の作曲家。実験的で前衛的な音楽で知られる。彼の作品は緻密なポリフォニック・テクスチャーと複雑なリズムを特徴とすることが多い。彼の作品は『2001年宇宙の旅』などのスタンリー・キューブリックの映画で使われたことで有名になった。

管弦楽曲の先駆的作品「Atmosphères」や、多層的なテクスチャーを持つ「Requiem」などの作品は、複雑なリズムとハーモニーを用いた20世紀のクラシック音楽におけるある種ランドマーク的な存在ともいえる。

映画『2001年宇宙の旅』のルクス・エテルナ。

スティーブ・ライヒ

ミニマルミュージックのパイオニア。スティーヴ・ライヒの作品は、反復図形、緩やかな和声リズム、フェイジング・パターンの使用で知られている。いつまでもずっと聴いていられるような構造が特徴的といえるだろう。

テープループを使ってフェイジングパターンを作り出す『It’s Gonna Rain』や、シンプルで聴きやすいプロセスを使って音楽的コンセプトを探求する『Music for 18 Musicians』(18人の音楽家のための音楽) は、単純な和声変化の上に複雑なテクスチャーを構築するライヒのスタイルを示す象徴的な作品だ。

他にも「ディファレント・トレインズ』は弦楽四重奏とテープのための3楽章からなる作品で、第二次世界大戦中の幼少期の体験が反映されている。『ドラミング』は打楽器奏者とヴォーカリストによる小アンサンブルのために書かれたリズムの探求である。

余談であるが、最近は作業用ミュージックとして使っている人もネット上では少なからずいるようだ。なかなか適した使い方をしていると個人的にも思ってしまった。

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bgt?aid=250108956729&wid=008&eno=01&mid=s00000022248001004000&mc=1 20世紀後半からの有名作曲家まとめ 0 20世紀後半からの有名作曲家まとめ

カイヤ・サーリアホ

音とテクスチャーへの探求で知られるフィンランドの作曲家であるサーリアホは現代クラシック音楽のパイオニア的存在として知られる。しばしば電子音楽の要素を取り入れている。そして伝統的なオーケストラの設定とシームレスに融合させている。


有名な作品としては『愛の隠れ場所』(L’amour de loin)。電子音楽とアコースティック音楽の革新的な使用で高く評価されたオペラがまずあげられる。
他にも『Graal théâtre(グラール・テアトル)』はヴァイオリン協奏曲で、音色とテクスチャーへの独自のアプローチを披露し、『ラテルナ・マジカ』は 映画監督イングマール・ベルイマンの自伝にインスパイアされた管弦楽曲だ。

ジョン・アダムス

アメリカの作曲家・指揮者で現代クラシック音楽の第一人者ともいえる。リチャードニクソン大統領の1972年の中国訪問を題材にミニマリズムと伝統的なオペラ要素を融合させたオペラ『ニクソン・イン・チャイナ』や『ドクター・アトミック』など、歴史的・政治的テーマに取り組んだオペラで広く知られている。

管弦楽曲では「Harmonielehre」、「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」などが高い評価を得ている。 前者は初期のミニマル・スタイルから大きく脱却した管弦楽作品だ。

オスバルド・ゴリホフ

アルゼンチン出身の作曲家で、彼はクラシック音楽にクレズマー、タンゴなど多様なワールドミュージックの音楽スタイルを取り入れている。そうしたスタイルだけでなく、精神性や実際に多文化主義をテーマにした作品も多い。

特に「La Pasión según San Marcos」(サン・マルコ受難曲)は高い評価を得ている。これは伝統的なテーマである聖マルコの受難の話に、ラテンアメリカやユダヤの影響を融合させて再構築した作品だ。
他にも有名どころを挙げると、「アイル」はキリスト教、アラブ、ユダヤ音楽など多様な伝統を融合させた歌曲集、「盲人イサクの夢と祈り」はクラリネットと弦楽四重奏のためのクレズマー風の作品である。

トーマス・アデス

イギリスの作曲家でオペラだけでなくオーケストラや室内楽作品でも国際的な評価を得ている。

シェークスピアの古典戯曲であるテンペストのオペラ「テンペスト」は複数の歌劇場で上演され、独創的なオーケストレーションと声楽曲で知られる。

管弦楽組曲「アシラ」はグロウエマイヤー作曲賞を受賞。「テヴォット」は波乱に満ちた音楽の風景を聴き手を運ぶ船に喩えた交響曲である。

こちらはオペラ「テンペスト」

ソフィア・グバイドゥーリナ

ロシアの作曲家であるグバイドゥーリナは音楽における精神性の探求で知られている作曲家だ。彼女の作品には、伝統的な音階や珍しい楽器の組み合わせがしばしば取り入れられている。

「オッフェルトリウム」は 伝統的な技法と前衛的な技法がミックスされたヴァイオリン協奏曲。「太陽のカンティクル」はアッシジの聖フランチェスコの讃美歌にインスパイアされたチェロ協奏曲である。
そして、こちら「7つの言葉」は、チェロ、バヤンと弦楽のための作品で彼女の深い宗教的信念が反映された作品といえると思う。

エサ=ペッカ・サロネン

フィンランドの作曲家・指揮者で、交響曲とオペラの両方のレパートリーへの貢献で知られる。

鮮やかなテクスチャーの「LA変奏曲」、ウォルトディズニー・コンサートホールの建築様式に着想を得て2声のソプラノと変化にとんだ演奏の「ウィング・オン・ウィング」などが彼の技巧が強く出ている。

また、彼の「ヴァイオリン協奏曲」も有名だ。ヴァイオリニスト、レイラ・ヨゼフォヴィッチのために書かれたその曲は、エネルギッシュなリズムと叙情的なメロディーを併せ持った曲だ。

こちらの動画はフィンランドラジオ交響楽団によるLA変奏曲の演奏である。

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