ポップスの王マックス・マーティン  ブリトニーからテイラー・スウィフトまで 曲の一覧付き

バックストリート・ボーイズのような人気ボーイズバンドのステージ ミュージシャン

マックス・マーティンとは一体誰?

マックスマーティンというレジェンドプロデューサー

マックス・マーティン、またはマーティン・ホワイト

ビルボードホット100で1位を獲得した20曲以上の曲を作詞・共作した超大物音楽プロデューサーである。

間違いなくチャート史上最も成功したソングライターの一人である。

マーティン・サウンドともいえるキャッチーなフック、レイヤーされたヴォーカルの組み合わせはポップ・ヒットのテンプレートともいえるものである。

具体的に名前を挙げれば、バックストリートボーイズ、ブリトニースピアーズ、テイラースウィフト、アリアナグランデからザ・ウィークエンド、彼らは全員がこのマックス・マーティンと強い関係のある曲を持つミュージシャンたちだ。

それも目立たない曲ではなくメガヒットが多く含まれる。

1990年代以降にアメリカのポップミュージックを聴いていて彼とつながりのあるミュージシャンの音楽を聴いていない人は世界に存在しないかもしれない。

Max Martin Wins Producer Of The Year, Non-Classical | GRAMMYs

カール・マーティン・サンドベリのスタート

彼は元々カール・マーティン・サンドベリという名前で1990年代半ばにイッツ・アライヴというバンドの一員として、スウェーデンのポップシーンに登場した人物である。

ABBAやビートルズのメロディー中心の音楽に魅了され北欧と英国のポップ、そしてその一方でメタル・ミュージック、キッスやジューダス・プリーストなども好きな多様な音楽ルーツが彼のバックボーンである。

そんな彼はバンド活動からソングライティングとプロデュースにやがて軸足を移し、ステージ上でのパフォーマンスから舞台裏でのサウンド形成へと移行した。

音楽プロデューサー マックス・マーティンに

そして2000年代以降のアメリカの音楽業界を主導することになる。

彼の成功の秘訣のひとつはスウェーデンの音楽プロデューサーでありポップミュージック界に強い影響力を持っていた故デニズ・ポップとの交流にあった。

デニズ・ポップはマーティンをシャイロン・スタジオで手ほどきした。

この極めて重要な関係によってプロデューサー志望の彼はスキルを磨きキャッチーなポップ・メロディーを作るという彼の特徴的なアプローチを形作ることができたともいえる。

余談だが2000年に閉鎖したこのシャイロン・スタジオはポップミュージックの歴史的スポットともいえる場所であった。

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バックストリートボーイズにブリトニー 90年代から続く大成功

バックストリート・ボーイズのアルバムに共同で参加したマーティンの役割は単なるプロデューサー以上のものだった。

彼はクリエイティブなプロセスを巧みに導き、一種の音楽的助産婦のような役割を果たし、90年代ポップスの時代を象徴する曲となった数々のヒット曲の誕生をアシストした。

この若きプロデューサーは彼らのサード・スタジオ・アルバムであり世界的メガヒットの『Millennium』でバンドのサウンドに磨きをかけ、「I Want It That Way」や「Larger Than Life」といったヒット曲を生み出しヒットメーカーとしての地位を確固たるものにした。

ブリトニースピアーズのBaby One More Time

これだけでも信じられないような大ヒットに携わった訳だがブリトニー・スピアーズのデビュー・シングル「ベイビー・ワン・モア・タイム」でのコラボレーションは、2人のキャリアにとって画期的な瞬間であった。

この曲の「Hit me baby one more time」といった印象的なフレーズこそマーティンが書いたもので象徴的で記憶に残る歌詞を作ることにも長けていたことがわかる。

この曲が世界的なヒットとなったことでスピアーズは一躍有名になり、マーティン自身もポップ・プロダクション界のトップに躍り出た。他にもブリトニーとは「Oops!… I Did It Again」など多くのヒット作品もある。

ポップスを超える幅広い成功ジャンル

完璧なポップ・ソングを構築する能力で有名なマーティンの手法は「メロディック・マスクス」理論として知られる。

メロディ構築への数学的アプローチを用いることが多くポップ・ミュージックを基本的な構成要素に分解し、それらをヒット曲へと構築するテクニックで、創造性と正確さのユニークな融合を披露している。

マーティンはポップ・ミュージックへの貢献で最もよく知られているが彼のプロデュース実績はロックやカントリーなど他のジャンルにも及んでいる。

影響力はソングライターやプロデューサーとしての活動にとどまらず、自身のプロダクション会社マラトーンと音楽出版会社MXMを通じて新世代のソングライターやプロデューサーの指導にも及んでいる。

また、同じスウェーデン出身のソングライターであるシェルバックとの長年にわたるコラボレーションで、テイラー・スウィフトのようなアーティストのために数々のヒット曲を生み出している。

もちろん彼は複数のグラミー賞やASCAP(アメリカ作曲家・作者・出版者協会)の年間最優秀ソングライター賞など、数々の受賞歴がある。2016年にはソングライターの殿堂入りも果たした。

テイラー・スウィフトやケイティ・ペリーとのコラボレーションでそれぞれカントリーやポップ・ロックの領域に踏み込んでいることからも明らかなように、マーティンはポップ・ミュージックを得意としているが、その幅は様々な音楽ジャンルに広がっている。

数多くのスーパースターとコラボレートする一方で、マーティンはしばしば才能あるアーティストをキャリアの初期段階で見抜く能力も披露してきた。

アリアナ・グランデやザ・ウィークエンドといったアーティストがメインストリームで有名になる前に仕事をしたこともあるのだ。

そしてもちろんウィークエンドでいえばBlinding Lightsなどの大ヒットも提供をしている。

The WeekndのBlinding Lights

技術的な面では、細部へのこだわりでも知られており、彼が生み出す曲の小節、音符、ビートをひとつひとつ丹念に見直すなど、完璧を追求するあくなき姿勢が、一貫してヒットを生み出し続けることに大きく貢献しているのだろう。

また、キャッチーなメロディーを直感的に把握することによって形作られているだけでなく音楽制作における最新テクノロジーの使用によっても彼のスタイルは形作られている。

デジタル・オーディオ・ワークステーション、いわゆるDAWやプラグインで可能なことの限界に挑戦することで、それぞれの楽曲に独特のサウンド・キャラクターを生み出すことも多い。

だからこそ長くビルボードやスポティファイ・チャートの上位の常連のヒットメーカーとして活躍できるのかもしれない。

そして史上最も成功した音楽プロデューサーの一人であるにもかかわらず、マーティン自身は極めてプライベート重視の人物であり公の場でのプロフィールはその偉業に比べるとかなり控えめである。

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各アーティストとマックス・マーティンのコラボレーション

バックストリート・ボーイズ

インシンク、ウェストライフ、ファイブ、ミレニアムの時期に多くのボーイバンドが生まれたがその中でも史上最も象徴的といえるボーイバンドがバックストリートボーイズだろう。

ポップなメロディとR&Bの影響をブレンドするようなサウンドの作品をマーティンは作り、グループを世界的スターダムに押し上げた。

2024年の今でもたまにカフェやどこかで耳にする(ちなみに自分は東京のジムや小売店でも聴いたことがある笑) バックストリートボーイズの代表曲としても有名な 「I Want It That Way」は不朽の名曲であり続けている。

Backstreet Boys – I Want It That Way (Official HD Video)

ブリトニー・スピアーズ

マックス・マーティンによるブリトニー・スピアーズとの仕事は、彼女を一躍音楽シーンで有名にしただけではない。(ブリトニーは歌手になる以前から子供番組の有名テレビタレントであった)

1990年代後半から2000年代前半にかけてのティーン・ポップというジャンルを定義付けたといえる。

キャッチーなフックと印象的なメロディーを生み出すマーティンの才能とスピアーズのカリスマ的パフォーマンスも相まって、ポップ・ミュージックの新しい成功の青写真が生まれた。

2000年あたりのグラミーでの裸に見えるような多少物議を醸したセンセーショナルなパフォーマンスもあったが個人的には登場し始めたばかりのレディーガガのような強烈なインパクトを世界中に見せつけた。

ピンク

マックス・マーティンのピンクとの仕事は彼女の音楽にポップでロックな感覚を注入し、彼女のエッジの効いた個性とメインストリームへのアピールのバランスを取ったといえる。

ピンクの初期の成功に貢献し、彼女のサード・スタジオ・アルバム『I’m Not Dead』(2006年)収録の “Who Knew “や “U + Ur Hand “といったヒット曲を手がけた。

ケイティ・ペリー

二人のコラボレーションは一連のアンセム的なポップ・ヒットを生み出しチャートとラジオを席巻した。

ペリーの遊び心と大胆な個性を際立たせマーティンは彼女のスタイルに完璧にマッチする曲を作り上げる。二人は数々の賞を受賞しノミネートされ、ペリーとマーティンはポップミュージックの殿堂入りを果たした。

“I Kissed a Girl”、”Teenage Dream”、”California Gurls”、そして”Roar”などはユーチューブの効果もあり世界中の人が見た作品だ。

バックストリートボーイズの頃はCD売り上げが世界記録であるといったことが自分がCDを買ったときにCDに書いてあった記憶があるが、こちらはリアルタイムで実際に再生回数がとんでもないことになっていると驚いた記憶がある。

Katy Perry – Roar

テイラー・スウィフト

2024年現在世界最高のミュージシャンであるテイラー・スウィフト。

マックスマーティンはここでもスウィフト最大のヒット曲を生み出し、数々の記録を塗り替え、批評家の称賛を彼女と浴びた。

スウィフトの芸術性とともに時代を超えるマーティンの才能の多彩さが実証されたといえるだろう。

そもそもテイラー・スウィフトのカントリーからポップへの移行は、マックス・マーティンとのコラボレーションによって顕著になったともいえる。

彼らは「We Are Never Ever Getting Back Together」、「Shake It Off」、「Blank Space」、「Bad Blood」などのヒット曲を生み出しスウィフトが世界的なポップ・スーパースターへと進化する上で重要な役割を果たした。

アリアナ・グランデ

マーティンのプロデュースはグランデの歌声を引き立て、ダンス・ポップから落ち着いたエモーショナルなバラードまで様々なポップ・スタイルの楽曲を生み出した。

「Problem」、「Break Free」、「Into You」、「No Tears Left to Cry」などのヒット曲はマーティンとのコラボ作品だ。

ザ・ウィークエンド

ザ・ウィークエンドと仕事をしたマックス・マーティンはオルタナティヴR&Bとポップの橋渡しをし、ザ・ウィークエンドの持つ少し謎めいたスタイルをより多くの聴衆に紹介した。

世界的大ヒットである「Blinding Lights」での2人のコラボレーションはコラボレーターのサウンドに適応し影響を与えた作品だ。

他にも「Can’t Feel My Face」、「In the Night」がマーティンとの作品だ。

The Weeknd – Blinding Lights (Live On Jimmy Kimmel Live! / 2020)

本物の才能と真摯な人格

こうしたヒットメーカーのマックスマーティンであるが彼は協力的な仕事のスタイルで知られている。

ここまでのことでよく理解して頂けたと思うが、たまにこうした業界で耳にするメディアの大きな力を使うなどして好きでもない有名人や好きでもない有名作品に絡んで自分の名前を載せて手柄とするような、才能のないインチキの人とは彼は真逆の存在である。

一緒に仕事をするアーティストの意見をしっかりと聞いて、それを大切にし、アーティストと共にアイデアが花開く創造的な環境を育むのが彼である。本物のプロなのだ。

こうしたアプローチにより、有名無名のアーティストととも強固な信頼関係を築いた。そして大きな相乗効果をもたらし、時には長期のコラボレーションへと至っている。

そうした結果がこのような多くの伝説的な実績であるといえるだろう。

マックス・マーティンが携わっている曲

以下でもかなり一部なのだが特によく多くの人に知られていると思われるマックスマーティンが関わった曲のリストを作ってみた。あなたがよく聴いている曲も一つと言わず、幾つかあるんじゃないだろうか?

ブリトニー・スピアーズ

Baby One More Time, Crazy, Oops, I did it again, 3, Hold it against me

バックストリートボーイズ

I want it that way, Everybody, Shape of my heart

インシンク

It’s gonna be me

ジャスティン・ティンバーレイク

Can’t stop the feeling

ピンク

So What, Who knew, Raise your glass

マルーン5

One more night, daylight

ケイティ・ペリー

Roar, Dark horse, Teenage Dream, TGIF, E.T.(カニエ・ウェストとの作品)

アリアナ・グランデ

Save your tears、We can’t be friends,Yes, And?

レディ・ガガ

Stupid Love

テイラー・スウィフト

Shake it off, Bad Blood

ザ・ウィークエンド

Blinding Lights, Can’t feel my face

コールドプレイとBTS

My Universe

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